BRHジャーナルブログ
「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査」(JILPT)

人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査」結果が発表された。「従業員100名未満の企業において、この1年間でOFF-JT研修を実施した企業は、全体の3分の1程度である」とのこと。

環境変化にスピーディーに対応するには、内部の資源に頼らず、外部の資源を活用することが得策である。内部資源が不足しがちな中小企業において、その手段の一つであるOFF-JTの利用率がこの程度でよいのだろうか。

なぜだろう。OFF-JTの有効性が低いからだろうか?OFF-JTの内容がだめなのかもしれない。しかし、調査結果を見ると「OFF-JTにそれなりに効果がある」と企業は認めている。であるならば、実施する予算や時間の捻出が難しいのか・・・スッキリしない。

現下の経営環境では、未来を切り開く情報や技術を内部の努力だけで獲得することは難しいのではないだろうか。

もちろん、外部資源を活用し内部に導入する方法は、OFF-JTや自己啓発などに限ることなく、M&Aや業務委託などの手段もある。周辺業務ならそのような手段もあるが、一番大切な自社のコア部分に関してはそうもいかないのではないか。OJTにあっても「指導する人がいない」とのことで実施に課題があるとの結果が出ている。これでは内部を磨き上げるための方策に手詰まってしまう。

このような調査結果の傾向は、この30年は変わっていないように思う。

そもそもOJT,OFF-JT、自己啓発というくくり方自体が、実態に合っていないのではないだろうか。現実を見定める視点の再考が求められる。

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