ブログ積読
高橋伸夫『コア・テキスト経営学入門(第2版)』

新サイトオープンを機に、この書から「新・積読」を再開したいと思う。

経営学入門の本を書店に探しに来た人で、棚からこの本を選ぶ人は少ないはずだ。なぜなら、教科書っぽくない章立てでわかりにくく、ノウハウ感が無いからだ。

だが、この本にはとんでもない仕掛けのある恐ろしい入門書である。2007年初版本は購入したもののざっと見て放置していた。最近、じっくり読んでみたのだが、読み進めてびっくり!最後の「付録」にこの本の種明かしが書いてあった。

この本は、組織論の古典:バーナード『経営者の役割』と同じ章立てで内容が構成されている。それに加え現代的な話題を別立てし、「課題」として本文に挿入している。

本書の内容はもちろん確実だが、最初から最後まで高橋先生のメッセージが込められている熱い書である。少しかっこ良すぎである。

バーナードの『経営者の役割』は、組織論を学ぶ者には古典中の古典であり、必須の書だ。やや難解なところもあり、本当に読んでいる人は僕らの周りでも少ないだろう。

以前、リンクアンドモチベーションの小笹さんが「経営者の役割」を社員全員に読ませているとの記事を読んだことがある。人事、経営に携わる人に読むべきだとの気持ちはよくわかる。組織を運営することを経営とするなら、まさに経営入門の書としてバーナードの書はふさわしい。でも完読するにはややまわりくどい。

それに比べて、本書は身近でわかりやすい。しかも、昨年11月に第2版が出版された。すぐに私も購入したが、新版と旧版と比較をしながら、うーん、なるほどな・・・とややマニアックな読み方をしている。

そもそも「・・・入門」という本を書ける人も少ないが、版を重ねられる人、著作はもっと少ない。経営学の某先生がいつかこの本を超える本を書いてみたいと言っていた伊丹/加護野『ゼミナール経営学入門』は一世を風靡した経営入門の金字塔で現在第3版。これも実務家には意外にもわかりにくいと言われる本だが、ボロボロになるまで読んでいる人も多い名著である。

★★★★★

高橋伸夫(2020)『コア・テキスト経営学入門(第2版)』新世社

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